世界経済は成長し続けるのか? ~長期投資の大前提
こんにちは!ラボサラです。
今日は「世界経済は成長し続けるのか?」というお題です。
ブログを開設して投資に関する勉強をコツコツと進めながら、投資の基礎や国の制度のことなどを記事にしてきた私ですが、今日は何とも壮大な(?)テーマですね。笑
もちろんこれには理由があります!
私の今後の投資計画として、ドルコスト平均法による長期の分散投資をつみたてNISAの枠内から始める、というオーソドックスな投資を予定しています。(過去記事をご参照ください。)
(ちなみに、現在私はアメリカに留学しており、日本の証券会社の口座を開設することが難しそうなのでまだ投資を開始できていません。。半年後に帰国してから開始予定です!)
積み立て投資において利益を上げられるのは、「投資対象が長期的には右肩上がりに成長する」という前提があるからです。
実際に世界経済は成長を続けており、各国のGDP(国内総生産)は増え続けています。
しかし、これから投資を始めるにあたり、30年後、40年後といった将来でも今までのように世界経済が成長し続けてくれるのか、はたまたマイナス成長の可能性があるのか、といったことが気になったので今回調べてみました!
GDPとは?
GDPはGross Domestic Productの略で、日本語では「国内総生産」と訳されます。
GDPは、「ある一定期間の間に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計金額」を表します。経済の規模を表す時によく用いられる指標ですね。
この値は、皆さん一人一人が頑張って働くことで生み出した価値を全て足し合わせた値(=国民一人の生産量×人数)、とも言えます。
「経済が成長する」というのは簡単に言うとGDPが大きくなることを意味します。
GDPを上げる要因
ではGDPを大きくするにはどうすれば良いのでしょうか?
これは ”GDP=国民一人の生産量×人数” という式から考えると分かりやすいですね。
「国民一人の生産量を高める(=生産性を高める)」か「国民の数(=人口)を増やす」ことでGDPが増えることになります。
とても大雑把に分けると、人口が頭打ち(又は減少)していく先進国では生産性を高めることでGDPを伸ばし、人口増加が進む途上国では数の威力でGDPを伸ばす、という図式になると言えそうですね。
人口の増加による影響は、国民一人当たりの生産性に比べて分かりやすいので、まずは世界の人口推移の予測を見てみましょう。
世界の人口推移予測
「人口が増加すればGDPが増える」ということは、世界全体で見た時に人口増が続く限りは、世界経済は成長を続けていきそうだということが言えると思います。
では世界全体の人口はどのように推移していくのでしょうか。
以下の図は国連が発表した予測図です。(引用自体はこちらのページです。)
今後、世界全体で見た時に人口増加は緩やかになっていき、2100年に約110億人となった後は頭打ちになる可能性があるとのことです。
つまり、人口が増え続ける2100年くらいまでは、GDPの増加、すなわち世界経済の成長が期待できるということですね!
これだけを見ても、「世界経済は成長し続けるのか?」そして「長期投資の前提の経済成長は期待できるのか」という今回の私の疑問に対しては答えが出そうですね。
あと80年くらいは人口増加による世界全体の経済成長が期待でき、少なくとも今の現役世代においては、経済の成長を前提とした長期投資は非常に有効な手段と言うことが出来そうです。
生産性向上によるGDPの成長
では、人口が既に頭打ちになっているような先進国のGDP成長はどうなのか?
既に人口減少が始まっている日本の一人当たりのGDPの推移を取り上げてみましょう。(内閣府のページより引用)
この表にある一番古いデータが2005年となっていますが、前年比マイナスという年もありながら、全体としてはおおむね増加傾向にあることが分かります。
そして、日本のGDPの推移が以下のようになります。(引用元はこちら)
緩やかではありますがGDPは増大していっています。
つまり、人口が頭打ちになったとしても、生産性の向上によりGDPは増えていっているわけですね。
人口減少局面ではGDPを増加させることが難しくなりそうですが、生産性の向上によりGDPは増加しており、他国を見ても少なくとも急激なGDPの減少は起こらないと言えそうです。(そもそも急激な人口減少は戦争でもない限り起きないでしょうしね。)
ちなみに、一人当たりのGDPについては、その国の産業構造などにも影響を受けるため、一概に高ければいいというものでもないようですが、今回の話からは逸れるので割愛しておきます。(興味のある人はこちらのニュース記事などをご覧ください。)
世界のGDP推移
上記で日本のGDPについて見てみましたが、世界全体で見るとどうでしょうか。
下記図は日本経済研究センターのものです。(引用元はこちら)
アメリカは順調に経済規模を拡大し、中国がそこに追随しています。
日本やドイツといった先進国はほぼ横ばいに見えますが、拡大すると僅かずつ成長しています。
不確実な未来のことなので、様々な予測が立てられていますが、総じてアメリカと中国が二強になるような予測が多いですね。
この二国を除くと、今後大きく成長するのは人口の多い途上国(インド、ブラジル、インドネシアなど)がメインと予測されています。
世界全体で見ると、人口増加に伴い経済成長が続くという予測が大半のようです。
こうして見ると、人口が増えていく国はともかく、アメリカの力強さが現在の先進国の中でも群を抜いていますね。
こういった予測がどの程度正確なのかは今の知識では深く考察できませんが、人口増加のことも含めて考えると、基本的には全体として成長していくと見ておいて良さそうですね。
まとめと結論
日本では投資に対する関心が徐々に高まってきており、ドルコスト平均法での長期投資が初心者にオススメの投資手法としてよく取り上げられます。
しかし、その投資手法の成功条件として当たり前のように「長期的な経済の右肩上がりの成長」が前提とされていて、個人的に気になっていたので今回その根拠を調べてみました。
結論として、
・2100年くらいまでは世界全体で人口が増え続ける。
・それに伴い、当面は世界全体での経済成長が見込める。
・そのため、長期投資によるリターンが期待できる!
ということになりました。安心して長期投資を開始できますね。
また、国別で見た時に、アメリカの安定感は目を見張るものがあります。米国株が人気なのも納得です。
今回は細かい要因は抜きにして、世界全体で見た時に今後経済成長が見込めるか、について考えてみました。もちろん、セクター(業種)や国・地域によって成長にバラつきはあるので、投資対象は充分に精査して選びましょう。
今回紹介した情報を基に考えると、日本やドイツのように大きく成長しない(=成熟した)市場に投資してもあまり大きなリターンは望めませんね。。
安定成長が期待されるアメリカへの投資や、新興国を含めた世界的な分散投資の方が期待値が高そうです。
長期投資は期間が長くなればなるほど得られるリターンが大きくなるので、やると決めたら早めに行動するのが吉ですね。
参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<関連記事>
・ドルコスト平均法は初心者でも簡単にできる鉄板の投資手法です。投資先の選定さえ間違えなければ高確率で利益を出せるので是非抑えておきましょう!
labosala-studyroom.hatenablog.com
・投資信託は個別株よりも始めやすい投資です。よく知らない、という方はサラッと学習しておきましょう。
labosala-studyroom.hatenablog.com
・つみたてNISAやiDeCoなど、最近では国が窓口を広げてくれているおかげで投資へのハードルが下がってきています。
labosala-studyroom.hatenablog.com
<その他参考ページ>
世界経済の成長予測
・PwC、調査レポート「2050年の世界」を発表 先進国から新興国への経済力シフトは長期にわたり継続‐インド、インドネシア、ベトナムが著しく成長 | PwC Japanグループ
・http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/1511_9.pdf
「食品の裏側」(著:安部司) ~添加物に脅かされる日本の食卓
こんにちは!ラボサラです。
最近、私の妻が食に関して色々なことを調べており、私も話を聞いて勉強させてもらっています。
その中で、普段あまり「買ってほしい」というお願いをすることがない妻が「これは是非買って読みたい!」と言ってお願いしてきた本がありました。
それがタイトルにある「食品の裏側」(著:安部司)でした。
妻の影響で私も食に対する関心が高まっていたので、妻の後ですぐに読ませてもらいましたが、結果としてこの本は私たち夫婦(特に私自身)の食品に対する意識を大きく変えてくれることになったと感じています。
普段何気なく買っていたスーパーの食品(特に加工食品)を見る目が、この本をきっかけにガラッと変わりました。
今日は、この本を読んで私自身が感じたことについて書いていきたいと思います。
以下ネタバレを含んだ内容となっていますので、内容を知りたくない方はお気を付けください。
身の回りに溢れている食品添加物
著者の安部司さんは、元々食品添加物メーカーの敏腕営業として勤務しており、当時から「食品添加物の神様」と言われるほど添加剤に精通していた人物です。
メーカーを退職後は、全国で添加物に関する講演を行なって回り、多くの人に添加物の知識を広めているそうです。
講演の中で、水と白い粉だけから豚骨スープを作ったり、大量のシロップを混ぜた甘い水に、香料や着色料等を加えて市販の清涼飲料水を作ってみせたりと、身近な食品がいかに多くの添加物で出来ているかを分かりやすく伝えています。
私たちが普段何気なく口にしているもののほとんどには、沢山の添加物が含まれています。
色鮮やかに見せるための着色料、日持ちを良くするための保存料、うま味を増すための化学調味料、食感を改善するための増粘剤等々、数え上げるとキリがありません。
彼が実際に携わった食品開発の話もいくつも載っており、食品添加物がいかに便利で使い勝手の良いものかが分かる一方で、その利便性ゆえに今の世の中には想像以上に沢山の添加物が使用されているという事実が述べられています。
印象的だったのは、食品工場で働く人たちは一様に、自分たちの工場で作られた食品は食べたくないと言っていた、という話です。
加工の過程で漂白されたり、白い粉の中に埋もれたりしている食品を見てしまうと食べる気になれないというのは、確かに分かる気がしますね。
「私はそんな添加物まみれの加工食品は普段から食べないよ」という人でも、注意が必要です。
普段何気なく使っている調味料のほとんどに、何かしらの添加物が使用されているのが今や当たり前になってしまっています。
醤油、味噌、みりん、料理酒、etc...
安いからといって選んだその調味料には、その安さの理由が隠れています。成分表を見れば様々な添加物が含まれていることが一目瞭然です。
今や砂糖でさえ、見栄えを良くするために添加物が加えられたりしています。
必要な原料だけを用いて昔ながらの製法で作られた調味料というのは、恐らく今の時代ほとんどの家庭に存在しないのではないでしょうか。
食品添加物は本当に安全なのか?
「添加物といっても、国の基準を満たしているものしか使っていないのだから安全だろう」と考える人も多いと思います。私も深く考えずにそう思っていました。
しかし、よくよく考えてみると、人間には当然個人差があります。性別や年齢、体格、アレルギーや病気の有無など、色々な要素が影響することが考えられます。
体格も良く健康的な大人と、病弱な子どもとでは、食べるものへの感受性が異なるのも当然だと思います。
安全性基準の決め方についてはここでは深く言及しませんが、結果として「国の基準が全ての人にとって安全を保障するものとは限らない」という考えに至りました。
(リンク先の厚生労働省のページに食品添加物の基準量の決め方について説明があります→よくある質問 (消費者向け))
また、本書内でも取り上げられていますが、複数の添加物を摂取した場合の安全性というのは確認されていません。
数ある添加物を組み合わせるとなると、膨大な数の組み合わせができてしまい、それら全てに対して安全性を検証するのは現実的に不可能なので、仕方がないことだとは思います。
ただ現実には、一つの食品に複数の添加物が使用されているのが普通であり、そういった食品を一度にいくつも食べることも良くあることだと思います。そういう状況の中で「それぞれの添加物は安全である」と言われても、あまり安心できないと感じるのは私だけでしょうか?
そして、最も気をつけるべきだと個人的に思うのが、「長期間にわたる継続的な添加物の摂取」です。
短期的な影響は、食べた直後(せいぜい数日内)に見つかるので原因が分かりやすいですが、長期的な影響となると何が原因なのか分かりづらく改善が難しくなります。
また症状として出てくるのが、皮膚湿疹、集中力の欠如、イライラしやすい、お腹を下しやすい(或いは慢性的な便秘)、といったそれほど重篤ではない形として体に表れるのではないかと思います。
これらの症状が実際に食品添加物が原因で起こるかどうか、はっきりしたことは分かりません。
ただ言いたいのは、食品添加物が原因でこれらの症状が出たとしても、それは非常に気付きづらく、そのために改善しづらいものだということです。
生活の中の他の要因でも起こり得る症状であるために、食品添加物を疑うという視点がなかなか持てずにじわじわと健康を侵されていく、という事態にならないかが不安なのです。
ちなみに、本書の中では、著者の勤務エリアの周辺だけアトピー性皮膚炎の子どもが他のエリアよりも多かったと書いています。
また、私の妻も渡米してから一年近く、皮膚湿疹や胸の苦しみ(息苦しさ)といった症状に悩まされていましたが、食べるものに気をつけるようになってからこれらの症状はすっかり改善されました。
いずれの場合も本当に添加物が原因となったと断定できるわけではありませんが、可能性としては頭に入れておくべきなのではないかと私は考えています。
添加物入りの料理を食文化として誇れるか
ここまでは健康面での話でしたが、添加物が及ぼす影響は文化面にも及びます。
日本食(和食)は、2013年にはユネスコ無形文化遺産として登録されています。健康的ということで世界的に和食が流行っていますよね。
農林水産省のサイト(「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました!:農林水産省)によると、日本食の特徴の一つとして、「多様な食材とその持ち味の尊重」が記載されています。
日本食の味として、まず思い浮かぶのが「うま味」です。
そのうま味は本来、煮干しや昆布などを煮出すことで丁寧に時間をかけて抽出します。或いは、醤油や味噌などの調味料も微生物の発酵を利用した食品であるため、作るのには一年単位で時間が掛かります。
しかし、私たちの日常を振り返るとどうでしょうか?
ダシを作る時は、お湯に顆粒を溶かすだけ。味噌汁を作る時は、ダシ入りのインスタント味噌をお湯に溶かすだけ。
これらのインスタント食品に使われているうま味成分は、本来の日本食のような手間暇かけて作り出されたものではなく、「化学調味料」や「タンパク加水分解物」といった食品添加物なのです。
著者も指摘していますが、子どもの頃からこういった「化学調味料」「タンパク加水分解物」を口にすることで、それを本物の味と錯覚してしまう恐れがあります。
それでは、世界に誇る日本食の味を受け継いでいくことはできません。
「化学調味料」「タンパク加水分解物」の味というのは強烈なもので、人によっては舌が痺れるような感覚になるそうです。(私の妻もそう感じるようです。)
そこまでの感覚はないにしても、私のような決して味覚が敏感ではない人間でも、妻が煮干しや昆布からダシを取り時間をかけて作ってくれた味噌汁の味は、インスタントなどとは比較にならない程美味しいことはすぐに分かります。
繊細な味の違いを楽しむ日本食が、日本人にとって味気のないものになってしまっては取り返しがつきません。
日本の文化を守り継いでいくためにも、添加物への依存を極力減らしていく必要があるのではないでしょうか。
私たちがすべきこと
ここまで、本書の内容に沿いながら、添加物に対する問題提起をしてきました。ではそれを知った上で、私たちがすべきことは何でしょうか?
まずは知識をつけることです。
日常的に使用している調味料の作り方を調べ、原材料として何が用いられるのかを知りましょう。その上で、身の回りにある食品や調味料の成分表を見て、どれくらい添加物が入っているかを知りましょう。
醤油やみりんに関しては、余分な材料が入っていない純粋なものが、如何にスーパーの中に少ないかが分かり驚くと思います。
次に、徐々に添加物の量を減らしていきましょう。
どの添加物を避けるべきか、というのは人によっても変わってきますし、全ての添加物の性状を把握して判断するのはとても難しいことです。
そこで、まずは加工度の低い食品を選ぶようにしていきましょう。
例えば、出来合いのハンバーグを買うのではなく、挽き肉+市販のソースでハンバーグを作るようにする。慣れてきたら、今度はソースも手作りにしてみる、といった具合です。徐々に手作りする部分を増やしていくようなイメージです。
そして、使用する調味料も本来の製法で作られた食品・調味料を少しずつでも選んでいくようにすれば徐々に食卓に含まれる添加物は減らしていけると思います。
少しでも多くの人が、日本食の良さを実感し、家庭内でそのありがたみと苦労を共有できるようになって欲しいと、勝手ながらに願っています。
今回紹介した「食品の裏側」は、添加物の化学的な知識がなくてもスラスラと読める内容になっています。
添加物について知る第一歩として、気軽に手に取れる本だと思います。
15年くらい前の本ですが今でも(今だからこそ!?)読む価値があると思います。
ちなみにこの本には続編があります。
この二作目では、遺伝子組み換えや農薬に関するところまで話を広げているとのことで、近々買って読みたいと思っています。
また、今回紹介した本と直接関係しているわけではないのですが、日本食文化を大切にしていくという観点から見た時に、マンガ「美味しんぼ」はとても勉強になります。
単純にマンガとして読んでも面白いです。様々な料理について、料理方法だけでなく、そこに使う素材や調味料についても、考えるべきことが如何に多いかが分かります。
111巻セットだと1万円以上するのでいきなり買うのはハードルが高いですが、まずは一巻だけでも手に取って読んでみていただきたいと思えるマンガです。
私自身友人から借りて30巻くらいまで読んだことしかないのですが、日本に帰ったら全巻まとめ買いするのも良いかな~と思っています。
今回は本のレビューを書いてみました。
長くなってしまいましたが最後までお読みくださったかた、どうもありがとうございました。
IPO(新規上場株式) ~株式投資の宝くじ?
こんにちは!ラボサラです。
投資のことを調べていると、IPOという言葉に出くわしました。
一体IPOって何…?
気になったので調べてみました。
IPOとは?
IPOとは「Initial Public Offering」の略で、日本語では「新規上場株式」「新規公開株」と呼ばれます。
これまで上場されていなかった会社が新たに上場されるということは、その会社には成長のチャンスがあると期待できるということですね。(もちろん上場した会社が全て順調に成長していく訳ではないですが。)
そのため、上場してすぐの株式は値上がりすることが多く、投資家としては大きなチャンスと言えます。
実際に、2019年の実績で見ても80%以上の株が「公開価格<初値」(利益が出る、いわゆる「勝ち」)の状態になったとのことで、当選さえできれば高確率で利益を出せるという、投資における宝くじのような株です。
ちなみに、購入できる株数は自分で選べないので、当選一回当たりに得られる利益を好きなだけ増やせるという訳ではありません。
IPOを購入するためには?
ネット証券で応募する
IPOへの応募の前提として、証券会社の口座を持っている必要があります。その証券会社に割り当てられた株数の分だけ、IPOへの申し込みをした口座所有者の中から選び出すわけです。
ただ、儲けが出やすい株なら誰だって購入したいものです。当然、買い注文(=応募数)が証券会社の持つ株数を上回るため、IPOの購入は基本的には抽選制になっています。
「宝くじのような」と記載したのはそのためです。
割り当てられる株数はネット証券毎に異なり、最も多く割り当てられる証券会社のことを「主幹事」と呼びます。
IPOに挑戦したい人は、まずネット証券を選ぶ際に「主幹事が多く回ってくる証券会社」を選ぶようにしましょう。
マネックス証券、SMBC日興証券、SBI証券などが良さそうですね。
(手間はかかりますが、当選確率を上げたいなら出来るだけ沢山の証券口座を開設して、全ての口座から応募することも可能です。)
銀行窓口で販売員から割り当てをもらう
IPOを手に入れるもう一つの方法は、銀行の窓口で販売員から手に入れるというものです。自分が銀行で得意客なのであれば、売ってもらえるでしょう。
このケースなら抽選に当たる必要がないため、とても都合が良さそうです。
但し、得意客となるためにはその銀行で色々と商品購入をしたりする必要があります。必要なものを買っていた結果として得意客になったならラッキーですが、IPOを手に入れたいがために無駄な買い物をするのは、結果として赤字になると思われるのでオススメできません。
IPO購入の流れ
こちらより引用させていただきました。→IPO「上場承認」から「上場」までの流れ | ママ株
①上場承認
ある会社が株式上場することがニュース等で発表されます。
②仮条件決定
上場会社の業績等から、株式の単価の範囲が公表されます。(=仮条件)
③ブックビルディング(期間:数日程度)
投資家の応募のことです。仮条件の範囲内で、「この金額なら買いたい」という価格を提示して申し込みます。
④公開価格の決定
ブックビルディングの集計から、公開価格を決定します。最も応募の多かった価格に決まるそうですが、仮条件の上限になることがほとんどのようです。
➄抽選
ブックビルディングにおいて、公開価格以上で応募した人のみを対象として抽選が行われます。ここで抽選に漏れないようにするために、③のブックビルディングでは仮条件の上限で申込みをすることが推奨されます。
⑥当選、購入(期間:数日程度)
無事当選した場合、購入手続きを進めます。
⑦上場
上場後すぐにつけられる株価を「初値」と言います。上述したように、初値は公開価格を上回ることが多いので、当選したIPOを上場日すぐに売ることで利益を出すことが出来ます。(もちろん売らずに保有し続けることも出来ます。)
なぜIPOの初値は公開価格を上回るのか?(=利益を出しやすいのか)
この理由としては、上述の記載と被る部分もありますが、以下のような理由が挙げられます。
・そもそも公開価格がその企業の価値よりも割安に設定されている
・売りたい人よりも買いたい人の方が多い
・みんなが上がると考えて買い注文がさらに入り、それによりさらに価格が上がる(=バブル現象)
ラボサラの個人的な意見
IPOの仕組みを調べてみて感じた個人的な意見を述べてみます。
まず、投資収益の柱としてIPOを考えるのは難しいですよね。何といっても運頼みなわけですから。
その当選確率を上げるためには、複数の証券会社で口座を作り、応募数を増やすことが有効なわけですが、IPOのためだけに複数口座を持ち、各口座に最低限の金額(50万円位?)を常に入れておくのは、管理の手間を考えるとあまりやりたくないなぁというのが正直なところです。
ただ、無理にIPOで稼ごうとせずに自分にできる範囲で応募する分には、それこそ宝くじ感覚で楽しむことは出来そうです。
また、IPOの企業をチェックする習慣がつけば、新規事業としてどんなものが出てきているのかを知ることも出来るので、世間の新しい流れを知る良い機会になるように思います。
今後、自分のお金の投資・運用に慣れてきた頃にでもIPOを調べてみて応募してみたいな~と考えているラボサラでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<関連記事>
・これから投資を始めたいけど何から始めるべきか分からないという方には、こんな失敗談が参考になるかもしれません。
labosala-studyroom.hatenablog.com
<参考ページ>
サドベリースクール ~授業のない学校
こんにちは!ラボサラです。
今日はいつもと趣向を変えて、教育関連のお話です。
私にはまだ子どもはいませんが、将来的に子どもができたらどんなことをしようかと今から想像を膨らませています。
そんな折に聞き慣れない言葉を耳にしました。その名も「サドベリースクール」。
従来型の学校とは全く異なるタイプの学校のようで、そんな学校が日本にも少数ながら存在しているとのことで、気になって調べてみました。
サドベリースクールとは?
サドベリースクールとは、従来の学校のようにカリキュラムに基づいた教育・授業を行うことなく子ども達を育てる機関です。つまり、先生から教わる授業というものが存在しません!
アメリカのマサチューセッツ州で創設された私立校「サドベリー・バレー・スクール」の教育方針をモデルにしていることから、この名前で呼ばれています。
サドベリースクールの特徴について以下に記載します。
サドベリー・モデルの中心的な特徴は、生徒はルールの範囲内で自由に行動できること、またそのルールを学校参加者自身(主に生徒とスタッフ)により決定していくことである。それによりサドベリー・スクールでは、生徒は学ぶべき内容を学校から押し付けられるということがなく、自らの好奇心のおもむく事をルールの範囲内で追求することができる。
Wikipediaより引用
なんとも大胆なシステムですね。
このシステムを支える根本的な理念は、
「子どもは生まれながら好奇心を備えていて、生きていく上で必要のあることは自分で学んでいくことができる」
Wikipediaより引用
というものです。
子どものことを信じているからこそ、子どもの行動の責任を、子ども自身に委ねているというわけですね。
サドベリー・スクールは生徒とスタッフだけが参加できる「スクール・ミーティング」によって民主的に運営される。学費額・予算配分なども生徒とスタッフが決めていく。自分たちの学校自治を当事者が行っていく、デモクラティックスクールと呼ばれる所以である。
Wikipediaより引用
サドベリースクールはデモクラティックスクール(democratic school)、すなわち「民主主義の学校」とも呼ばれるそうです。
学校の生徒会に全員が参加するようなものでしょうか。小さいうちから、予算などのお金のことを学び、民主主義という国のシステムを疑似的に経験するというのは大切なことですね。
サドベリー・スクールはすべての年齢の子どもたちが一緒に過ごすことによって生徒たちの学びと成長が促されると考えており、恣意的に生徒たちを年齢によってグループ分けすることはしない。
Wikipediaより引用
あらゆる年齢の子ども同士を一緒に過ごさせることで、子ども同士で「教える」「面倒を見る」という行為も活発に起こりそうな気がします。
また、意見を言う時に年が違うからといって物怖じすることは無くなりそうですね。
サドベリースクールのイメージは「学童保育と従来の学校の中間」みたいなものでしょうか。
(私の勝手なイメージかもしれませんが)学童保育は親の帰りを待つ間の時間つぶしの場所ですよね。そこに教育の要素を取り入れたのがサドベリースクール、というような感じがします。
サドベリースクールに対するラボサラの考え
基本的には賛同
今の時代でさえ、働き方が多様化し、単純労働に価値がなくなっていく(機械、AIに取って替わられる)ということが頻繁に叫ばれています。
その先を生きることになる子ども世代にとっては、きっと労働の価値が今とは大きく違ったものになることでしょう。
これまでの時代は、上司の言うことを聞いて仕事をこなす、というスタイルが主流でした。それは「与えられた(既存の)課題に対する、効率的な解決策を考える」という作業になります。
従来型の学校は、決められた形で知識を学び、それを基にテストの問題を解くことで評価が決まります。
これは、与えられた課題(=テスト問題)を解決する、という作業なので、社会に出て仕事をする上で必要な頭の使い方を学ぶことができていた、と捉えることもできます。
一方で、これから先の時代において社会で求められる能力が、「上司から言われたことを要領よくこなす力」から、「新しい未知の課題を自ら探し、その解決方法を考える」というものに変化していきます。
そこで必要な力とは、
・考える力(考察力、アイデア力、創造力)
・自主性、自発性
だと私は考えます。
端的に言うと、「積極的に活動する、地頭がいい」人という感じでしょうか。
このような力を育てるのに、従来型の学校は向いていません。
授業を受けて知識を吸収するという行為が受動的なものであり、生徒の自発性を養うことが出来ないことと、テストで学力を測るという方法では、子どもの発想力を発揮する場面がないからです。
その点、サドベリースクールでは、自分に必要な知識を自分で選択することができ、高いモチベーションで自発的に知識を吸収することが出来ます。
また、自分の求める知識・能力がどうすれば手に入るのか、その過程を学べます。
従来型の学校で、集団生活を通して周りとの協調性を学ぶことにも意義はあると思いますし、私自身も従来型の学校で育ってきた人間の一人なので、それを完全に否定するつもりはありません。
しかし、サドベリースクールには、これから先の時代を生き抜くための大きな可能性があると思っています。
政治への関心が高くなることにも期待
「スクール・ミーティング」はいわゆる生徒会のようなものだと書きました。その中で自分たちのルールを自分たちで築き上げていくという経験は子どもにとって非常に貴重な経験になると思います。
集団の中でのルールを決めたり、そのルールに従った行動をする、というのは大人になってからも変わりません。
子どものうちにルールを作る経験をしておけば、大人になってから国の政治にも関心を持って参加できるようになるのではないかと個人的には期待してしまいます。
日本ほど政治への関心が低い国はなかなかありません。これからの時代を担っていく人たちが、自分の生きる国のシステムに関心を持って積極的に参加していくようになることは、日本が健全な国として育っていくためにとても重要なことだと思います。
(個人的には、今の投票率の低さは受動的な教育システムにも原因があるように思います。)
サドベリースクールの仕組みが、ゆくゆくは日本の政治を変える原動力になってくれたら、と規模の大きなことをぼんやりと考えてしまいます。
教育者側である大人の対応が非常に重要
ここまで、サドベリースクールに対して大いに高評価の意見を書いてきましたが、現実的には難しい部分もあると思います。その最も大きな部分がスタッフ(教育者)の存在です。
従来型の学校のように、物事に対する正解が決まっていないので、杓子定規的な対応ができません。様々な子どもの意見に応えられる広い知識と柔軟な発想が必要となります。
基本的には子どもが自ら考え行動することを見守る方針とはいえ、あくまで「教育」の場なので、子どもが必要とするタイミングで適切なアドバイスをすることが重要になってきます。
何でも調べれば情報が出てくる時代になったとはいえ、調べるきっかけや取っ掛かりすらなければ先に進むことはできませんからね。
子どもの思考に寄り添いつつも、その一歩先に子どもが踏み出すのに必要な行動・知識について大人が知っていないとせっかくの好奇心を活かすことができません。
基本的には見守りつつ必要な時には手を差し伸べる。
言葉で言うのは簡単ですが、現実にはとても難しいことです。
それを上手にこなせる教育者の存在がサドベリースクールには必要不可欠だと個人的には思います。
自分に子どもができたとして、その子どもをサドベリースクールに入れるとなった時は、学校のシステムだけでなく、そこにいる教育者の考えや哲学なんかもしっかりと聞きたいものですね。
まとめ
サドベリースクールの基本的な仕組みと、それに対する私の個人的な意見を述べさせてもらいました。実際のサドベリースクールの運営の様子を知っているわけではないので、的外れな意見を言っている所もあるかもしれません。
システムとしては非常にユニークで面白そうなので、今後も情報収集してみたいと思います。
以下に現在ある国内のサドベリースクールの一覧を掲載しておきます。
自分の周りにサドベリースクールがあるかどうか確認してみてください。
(Wikipediaより)
一般財団法人 東京サドベリースクール、東京都世田谷区
一般社団法人湘南サドベリースクール、神奈川県茅ヶ崎市
一般社団法人 三河サドベリースクール・シードーム、愛知県岡崎市
一般社団法人西宮サドベリースクール、兵庫県西宮市
一般社団法人デモクラティックスクールまっくろくろすけ、兵庫県神崎郡
デモクラティックスクール まんじぇ、愛知県一宮市
デモクラティックスクール さいたまみゅーず、埼玉県
宮崎デモクラティックスクール にじのりずむ、
新田サドベリースクール、鳥取県智頭町
札幌サドベリースクール、北海道札幌市豊平区
デモクラティックスクールみぃち 沖縄県
最後までお読みいただきありがとうございました。
筋トレの効果・メリットを解説!これを知れば筋トレがしたくなる!!
皆さん!筋トレしてますか?
筋トレ大好きラボサラです。
今日は筋トレをすることで得られるメリットについて書きたいと思います。
今はしていない人も、これを読めばきっと筋トレを始めたくなるはずです!
筋トレのメリット
①自分に自信がつく
やはりこれが一番でしょう。
時間こそ掛かるものの、自分の体が変化していくのを実感できるのは嬉しいものです。
そして、変化した自分の体を見れば自然と自信が湧いてきます。
鏡を見ながら「これだけ続けることができた」「こんな体を手に入れることができた」と感じることが出来れば、達成感を得られると共に自信がつきます。
私自身、まだまだ自分の理想とする体型(筋肉量)には届いていませんが、体の変化を感じて楽しく筋トレが出来ています。
おかげで、以前よりも自分に自信を持てるようになり、何か落ち込むことがあっても立ち直りが早くなりました。
②頭が良くなる
筋トレをしているとBDNF(Brain-Derived Neurotrophic Factor、脳由来神経栄養因子)という物質が分泌されます。
BDNFは脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質の一種で、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促してくれます。脳内で記憶を司る「海馬」に多く含まれていて、そこで神経細胞の動きを活発化させることが期待されています。そのことから、“脳の栄養”と呼ばれることもあります。
つまり、
筋トレをする→BDNFが分泌される→記憶力が上がる(=頭が良くなる)
ということですね。
ちなみに、この物質を分泌させるには、高めの強度の運動が必要だそうです。
運動でも分泌されるそうですが、筋トレで筋肥大(=筋肉をつける)のためのトレーニングをしていれば、必然的にある程度高い強度になるので、筋トレとの相性は良さそうですね。
③骨が強くなる
筋トレによる効果は筋肉への刺激に留まりません。なんと骨まで鍛えられるんです!
骨は長軸方向に負荷がかかると、微量の電流が骨に伝わり強さが増すと言われています。
物理的な過重負荷が大きい程、骨密度が増加する傾向があるため、筋トレは「骨トレ」としても効果的と言えます。
骨を鍛えられることで、骨粗しょう症の予防にもなるため、より強く健康的な体を手に入れることが出来ます。
④健康増進(病気の予防)に繋がる
筋肉が出す物質の総称「マイオカイン」。これらの物質は、筋肉に刺激を与えることで分泌され、体に様々な効用を与えてくれることが明らかにされてきています。
一例として、癌予防、うつ病改善、炎症の減少、動脈硬化の抑制などが挙げられます。
サラッと書きましたが、とてつもない効果が一気に得られることがお分かりいただけるかと思います。
生活習慣病の多くが筋肉により解消されると言っても過言ではないでしょう。
マイオカインに関する分野は、現在研究が盛んに行われているそうで、今後も様々な物質や効果が報告されることが期待されます。
筋肉の更なる可能性が明らかになれば、筋トレに興味を持つ人が更に増えそうですね。
他にも…
上記に挙げた以外にも、筋トレには様々なメリットがあります。
・異性にモテるようになる
・集中力が高まる
・ストレス解消になる、ストレス耐性が高まる
etc...
数えだすとキリがないくらい、様々なメリット・効果が謳われています。
筋トレってすごいですね!
まとめ
いかがだったでしょうか?
私自身、筋トレを始めた頃は、「理想の体型に近付けて自信がつく」というメリットしか考えていませんでしたが、調べてみると思っていた以上に沢山のメリットがあることが分かり驚きでした。
これを読んだ皆さんが筋トレに興味を持ってくれれば嬉しい限りです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
<関連記事>
・筋トレに興味が湧いた方はまず自宅で気軽に出来るトレーニングから初めてみるのも良いと思います。自宅トレーニングのメニューについてはこちらをご覧ください。
labosala-studyroom.hatenablog.com
・効率的に筋トレの結果を出すためのルールを知って、更に筋トレを楽しいものにしましょう!
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・筋トレをするなら栄養管理も併せてすることで筋トレの効果が高まります。
labosala-studyroom.hatenablog.com
<参考ページ>
・意外と知らない!?筋トレをすることで起こる嬉しい効果TOP3
https://www.youtube.com/watch?v=1yQNMikTaIA&list=LLRrxBBsX8KUJGaWeBKhvojQ&index=3&t=0s
・BDNFを増やす運動と最低ラインとは?
https://everyday-evident.net/exercise-for-bdnf/
・骨粗鬆症予防のための運動を -骨に刺激が加わる運動を
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-001.html
・大注目!筋肉に秘められた"スーパー健康パワー"
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_473.html
・マイオカインに腫瘍増殖抑制効果・抗うつ作用があるか?
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=12625
・なぜ“筋トレをすると自信がつく”と言われるのか?運動時に出る「ホルモン」の種類と効果
父親が過去にぼったくり投資商品で大損していた話
こんにちは!ラボサラです。
先日、63歳になった父親と投資の話をする機会があり、その中で父親が過去に「株式の詰め合わせ商品」なるものを買って、結果として大損したという話を聞きました。
中小企業に勤めていた父親は、仕事上で付き合いのある銀行員から勧められて購入したそうです。
相手方の業績アップに貢献するのも一つの仕事、といった価値観は昭和のサラリーマンらしいといえばらしいのですが…
この話を聞いた私は思いました。
「それただのぼったくり商品やんけ!!」
投資について勉強し始めた私でも、すぐに分かるような内容だったため思わず色々と反論してしまいました。
しかし父親は既にその株式を売却しており、どれだけそれが見込みの薄い投資だったかを説明しても後の祭り。
購入時1000万円だった株式が数十年後の売却時には、300万円くらいにまで落ち込んでいたそうです。
購入当時の銀行員の説明によると、「株式は単品だと業績に応じて株価が変動しやすい。そこで複数社の株式を組み合わせることで、異なる株価の動きを混ぜ合わせてトータルとして株価の変動を抑えることができ、リスクの低い商品を実現した。」とのことでした。
父親の覚えている範囲での話なので、きっと他にも色々なことを言葉巧みに話されたのだろうとは思います。
しかし、これだけ聞いたこちらとしては、正直なところ「その程度で騙されないでくれよ…」と思わずにいられませんでした。
まぁ数十年前の当時は、今のようにインターネットで簡単に情報が手に入る時代ではなかったので、充分な知識を得られる機会がなかったのも仕方ないとは思います。
この話は投資の勉強を始めたばかりの初級者である私にとって、金融リテラシーを測る良い題材になると感じたので、以下に私なりの観点で、父親の投資のどこが間違いだったのかを指摘してみたいと思います。
また、父親へのアドバイスのつもりで「今の時代ならこうすべき!」という点も併せて述べていこうと思います。
①銀行員から投資商品を購入した
まずここですね。
「銀行員から勧められる=その銀行員の人件費が余分にかかる=手数料が高い」ということが考えられます。今の時代であれば、ネット証券を購入する時の手数料と、銀行窓口で購入する時の手数料の違いは一目瞭然です。
ネット証券であれば、購入時の手数料は無料のものもあります。また、信託報酬(運用利益に対する手数料)も0.1%程度のものが今では当たり前に見つかります。
対して銀行窓口での購入においては、銀行側の利益を大きくするために各種手数料が高めに設定されているのが定石です。私自身は銀行窓口で購入したことがないのですが、ネットの情報を見ると2~3%もの手数料がかかるものもあるのだとか。
年率5%の商品だとすると、手数料が3%だった場合、利益の半分以上が取られてしまうことになります。そこに、株式利益の受け取りにかかる税金(利益の20%分)がかかってくることも考えると、本来得られる利益のうち僅かな部分しか手元に来ないことが容易に理解できます。
②株式を一括購入した
これはリスク分散の観点からイマイチだと思います。
新興会社(ベンチャー企業)の株を買う、といったケースでは上場前に大きく購入してその会社の成長を待つ、というようなやり方もあるとは思います。しかしそれはリターンが大きい分、リスクもかなり高いと言えます。
「金持ち父さん貧乏父さん」の著者であるロバート・キヨサキ氏はこのような投資方法が好きだという話を著書の中で書いていましたが、あくまでこれは投資上級者が、投資先の会社の可能性やそれを取り巻く社会情勢などを加味した上で行うからこそリターンを得られるものです。
初心者が内情も分からずに手を出せるものではありません。
投資初心者においては、長期の積み立て投資を行うことがリスク分散に役立ちます。
これについては私の過去記事もご参照いただければ分かりやすいかと思います。(本記事の最後に掲載)
③株式の詰め合わせ商品の内容を把握していない
銀行員の説明によると、リスク低減のために複数社の株式を詰め合わせた商品にしたとのこと。しかしその内訳について父親はあまり理解した様子ではありませんでした。
もしリスク分散のために複数社の株を購入するのであれば、異なる値動きをするものを組み合わせる必要があるため、業種の異なる企業を詰め合わせるはずです。さらに言えば、国の情勢に左右されにくい商品にするために、日本だけでなく海外の企業も取り入れたパッケージにすべきです。
さらに言えば、リスク分散させたいのであれば、インデックス投資の方が安全だと言えます。
個別企業の株だけを組み合わせてポートフォリオを作るのは、中~上級者向けの方法だと思います。株式の詰め合わせの内訳を理解していない初心者では玉砕するのが目に見えます。
以上、3つの理由から今回父親が経験した投資話を分析してみました。
身近な人が経験した話に対して、自分なりの根拠を持って反論したことで、金融知識に関して自分の成長を実感できたため、嬉しかったです。
(親が大損していたことを初めて聞かされたのでショックはショックでしたが…笑)
ただ、今回は父親を納得させるところまでは出来なかったので、もっと自分の理解力を深めて、誰にでも分かるような話をできるようにならないといけないな、とも感じました。
今回の話を通して、お金に関する知識を身につけることの大切さを改めて実感しました。
自分の身は自分で守らないと、他人はいくらでも搾取してきます。
皆さんも金融リテラシーを高めて騙されないようにしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
<関連記事>
・投資信託とは何かについて説明しています。初心者は株式投資よりもまず投資信託で投資を始める方が無難と言えるでしょう。
labosala-studyroom.hatenablog.com
・投資を始めるなら手数料のことも知っておきたいですね。
labosala-studyroom.hatenablog.com
・リスク分散に関する記事です。初心者が投資を始めるなら、まずはドルコスト平均法について学びましょう!
【初心者向け】投資信託とは?株式投資との違いは?
こんにちは!ラボサラです。
先日父親と話している時に投資の話になり、過去に父親の株式投資に手を出していたことを聞きました。(この時の失敗談については別記事でお話ししたいと思います。)
その中で、「初心者がよく知らずに株式投資するなんて無謀だよ。投資信託から始めるべきじゃなかったのかな?」ということを話したのですが、投資信託がどういうものか、いまいちピンときていなかったようでした。
投資のことを勉強している人ならほとんどの人が知っているとは思いますが、良い機会だと思ったので今回は初心者でも分かるように、投資信託とはどういうものなのかを説明してみたいと思います。
投資信託とは?
投資信託とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用のプロであるファンドマネージャー(=運用会社)が株式や債券などに投資・運用し、その運用の成果として生まれた利益を投資家である皆さんに還元する、という金融商品」です。
実際には運用会社が直接投資家に信託商品を販売したり、資金管理や投資を行う訳ではなく、以下の図のような流れになります。
以下の話においては、簡略化のために販売会社、委託会社(運用会社)、受託会社(信託銀行)をまとめて運用会社として扱います。(二つの図のうち、上の図のフローをベースにします。)
投資家が会社の株式を直接購入して運用する株式投資との大きな違いは、間に運用会社を挟んでいるところですね。
では間に運用会社が介入することで、株式投資と比較してどのような違いが生まれるのでしょうか。
以下で細かく見ていきましょう。
投資信託の特徴
投資信託のメリット
①資金運用をプロに任せられる
これは投資信託の分かりやすい特徴ですね。
投資初心者にとって、これから成長する会社を見極めて株式を買う、というのはとてもハードルが高い行為です。
元手となる資金さえあれば、気軽に投資を始められるというのは大きなメリットです。
②少額から始められる
投資信託は、運用会社が複数の投資家からお金を集めて運用を行うので、一人当たりが提供する金額が少額でも運用が可能となります。
一般的に株式投資は数万円~数十万円が最低投資額となるのに対して、投資信託は100円からでも始められるようなものが多いです。
最近では「ポイント投資」といって、楽天ポイントなど、得られたポイントを1円単位で投資に回すことができる制度もあり、より気軽に始められるようになっています。
③分散投資でリスク低減ができる
株式投資の場合、例えば一社のみの株式を保有していると、その会社の業績が好調であればそれに伴う大きなリターンが得られますが、逆に業績が悪化すれば自分の資産もそれに比例して減ってしまいます。つまり、自分の命運をその一社のみに託すという、ある意味綱渡りのような投資を行うことになります。
一方、投資信託では、複数の金融商品を組み合わせた商品(様々な会社の株式・不動産・債券など)を運用会社から購入することになるので、一つの投資信託商品を買うだけで色々な資産を保有することになります。
この状態であれば、たとえその中の一つの株式が大きく値下がりしたとしても、全体に占める割合が小さいため大きな損にはなりません。
逆に、同じ理屈で一つの株式が大きく成長して利益を出したとしても、大きな利益にはなりません。
「リスクを下げる」というのは、「損益の幅を小さくする」ということになりますね。
「大きく儲けたい」よりも「大きな損をしたくない」という方針の人にとっては投資信託が向いていると言えます。
まとめ
今回は投資信託について、その特徴とメリット・デメリットについてお話ししました。
株式投資と比べて、小額から始められて損益の幅が小さい分、初心者には取り組みやすい投資手法だと言えます。
投資に興味のある方は投資信託から始めてみてはいかがでしょうか。
一つ注意点として、投資信託を購入する際は銀行窓口などの対人販売をしているところではなく、ネット証券を利用するようにしましょう。
(基本的に対人販売している商品は手数料が高く設定されているためです。)
以上、参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<関連記事>
・投資信託には各種手数料がかかります。株式投資との違いは主に運用時の手数料です。どのような手数料が必要となるか、しっかり理解しておきましょう!
labosala-studyroom.hatenablog.com
・投資信託について理解したら、次は国が用意してくれている制度についても勉強してみましょう。
labosala-studyroom.hatenablog.com
<参考ページ>
・投資信託とは
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/learn/about/
・投資信託における株主優待の行方について
投資信託で優待はどこへ行く? ~基準価額の決まり方~ | mattoco Life
株主優待って投資信託ではどうしてるの?株主優待が生む利害関係を考える | イクメン・ファンドマネージャーがFP転身を目指すブログ