PFCバランス ~筋トレの効果を最大化する食事(栄養バランス)について~
こんにちは!ラボサラです。
今日は筋トレを効率的に成功させるための栄養バランスに関するお話です。
筋肉をつけて理想の体を手に入れるためには、トレーニングが重要なのは言うまでもないことですが、それと同時に食事における栄養管理も非常に重要になります。
その基本となる考え方が「PFCバランス」です。
この記事では、PFCとは一体何なのか?どのように管理していくものなのか?を具体的に話していきます!
厳密にPFCを管理していくのは大変なので、初めて取り組む人でも始めやすいように簡易的なルールも作ってみました。初めての方はそちらも参考にしてみてください。
PFCバランスをマスターして効率的に理想の体に近づいていきましょう!
・「PFCバランス」という言葉を知らない人
・筋トレはしているけど、食事や栄養については考えていなかった人
・筋トレで思ったように筋肉がつかない人
・これからPFCバランスを意識した食生活を始めてみたい人
- PFCバランスとは?
- 筋トレで筋肉をつけたい人が心がけるべきPFCバランスは?
- PFCバランスの計算方法
- PFC管理が難しい場合のコツ
- 筋トレ中のオススメの食事・食材
- (参考までに)一般的に推奨されているPFCバランスについて
- まとめ
PFCバランスとは?
まずはPFCバランスが何を意味するかをお話しします。
PFCとは、
F: Fat (脂質) (1g = 9kcal)
C: Carbohydrate (炭水化物) (1g = 4kcal)
のそれぞれの頭文字を取ったもので、「PFCバランス」というのはこの三つの栄養素の摂取量、摂取バランスを意味する言葉です。
一般に食事制限や食事量のコントロールの話題になる時は、食べ物の「カロリー」に注目されることが多いですが、そこから一歩踏み込んだ考え方が「PFCバランス」だと言えます。
なぜなら、タンパク質、脂質、炭水化物のそれぞれの摂取量が分かっていれば必然的にカロリー量も計算されることになるからです。
PFCバランスを意識するべきなのは、ダイエットをしたい人にも当てはまりますが、以下では筋トレで筋肉をつけたい(筋肥大させたい)人に焦点を絞って内容をお話ししていきます。
筋トレで筋肉をつけたい人が心がけるべきPFCバランスは?
筋トレをしていて筋肉を大きくしたい人が目指すべきPFCバランスは以下の通りです。
P(タンパク質): 体重×2 (g)以上
F(脂質): 体重×1 (g)以下
C(炭水化物): 体重×5(g)
赤字で示している通り、筋トレ中は特にタンパク質量をしっかりと守るようにしましょう。
覚えやすいように、
「タンパク質は体重の2倍(g)以上、脂質は体重(g)以下、それ以外を炭水化物で摂る」
と考えると良いかと思います。
例えば体重65kgの人が一日に取るべき各栄養素の量は以下のようになります。
タンパク質 = 65×2 = 130g = 520kcal以上
脂質 = 65×1 = 65g = 585kcal以下
炭水化物 = 65×5 = 325g = 1300kcal
(総カロリー = 2405kcal)
ここで示した摂取量は、あくまでおおよその基準です。
実際に必要となるカロリー量は、その人の体脂肪率や生活強度によっても変わってきますが、ここでは覚えやすさ重視で各栄養素のザックリとした基準を紹介しています。
上記基準を守りつつまずは一ヶ月生活(+トレーニング)をしてみましょう。
その上で体重を増やしたり減らしたりしたい場合は、炭水化物の量を増減させてコントロールすることをオススメします。
PFCバランスの計算方法
次に、実際に自分の食べたものからPFCの量を計算する方法を紹介します。
PFCバランスの計算にはこちらのサイトがオススメです。無料で利用できます。
カロリーSlismの使い方
サイトのトップ画面はこんな感じです。
黄色の検索窓に食べた食材を入力して検索します。
食材の左に表示された「追加」ボタンを押せば検索窓の上部にその食材が追加されます。その後はまた別の食材や料理を検索して適宜追加していきます。
全ての食材を入力したら、「全ての栄養素詳細へ」のボタンを押せば以下のような結果ページに移ります。
この画面の下にいくとビタミンやミネラル分を含めた詳細なデータも見ることができます。
カロリーSlism使用時の注意点
食材を打ち込んでも料理名で打ち込んでもある程度ちゃんとヒットしますが、時々ひらがな・カタカナ・漢字の違いによってヒットしたりしなかったりするので、該当する食材や料理がない場合は、Googleなどの検索エンジンから、「〇〇(食材名) カロリー」などで検索してみましょう。カロリーSlism内にデータがある場合は上位の検索結果に表示されます。
PFC管理が難しい場合のコツ
毎食ごとにこのようなPFC計算をしながら摂取量を管理するのは面倒だと思います。
ただ、面倒でもしばらく続けていると「何をどれくらい食べればよいか」の感覚がつかめるようになると思うので、これまでPFCバランスを意識してこなかった方は特に、ある程度の期間(一ヶ月くらい、最低でも一週間)計算を続けることをオススメします。
とはいえ「やっぱり面倒だ!」という人もいると思います。
私自身もPFC管理をやったことがありますが、一ヶ月続けるだけで大変でした。
計算自体が面倒であることももちろんですが、何より料理をしてくれている妻に毎回食材の重量を測って記録してもらう手間を掛けることになり、申し訳ない気持ちになりました。笑(続けたいなら自分で料理しないといけませんね。。)
単に「面倒でやりたくない」というだけでなく、それぞれの生活環境によって管理が難しい場合もあるかと思います。
そういう方(私自身も含めて)にとっても続けやすいように、比較的簡単なルールを考えてみました。
まずは以下の三つのルールを守るところから始めてみてください。
簡易版PFC管理のルール
①まずタンパク質量だけ管理する
他の栄養素ももちろん大事ですが、やはり一番大事なのは筋肉の基となるタンパク質です。
おおまかでも良いので、その日に食べた肉・魚などのタンパク源の量を記録して、必要なタンパク質量を摂取するようにします。
必要なタンパク質の量は「体重×2(g)」でしたね。
今まで管理していなかった人にとっては、「体重×2(g)」のタンパク質というのは思っている以上に量が多いと思います。
毎食の料理だけで必要なタンパク質を確保するのが難しい人にとってはサプリのプロテインは強い味方になってくれます。プロテインはモノによって、「成分の大部分がタンパク質のもの」と「タンパク質と炭水化物が両方含まれているもの」があります。(各製品の成分表を見れば分かります。)
タンパク質量だけを管理する場合には「成分の大部分がタンパク質のもの」を選ぶほうが良いですね。
②揚げ物を避ける
脂質は、気を付けておかないと簡単に必要量以上を摂取してしまいがちです。炒め物でも当然油は使いますし、タンパク源の一つである大豆にも意外と油は含まれています。そのため、油を使った料理というのは意識的に避けるようにする必要があります。
特に揚げ物は、一品入れるだけで一日の脂質摂取量を超えたりするので、揚げ物は避けるべきです。できれば数日に一回だけ食べる程度にしましょう。
③スナック菓子は食べない
上記の②と関連することですが、ポテトチップスなどのスナック菓子は思っている以上に脂質の量が多いです。間食を全て我慢する必要はないですが、せめて脂質の多いスナック菓子はやめるようにしましょう。
痩せ型で食が細い人の場合
太りたいけど太れないという場合でも、PFC計算をするのが大切であることに変わりはありません。「太れない、体重が増えない」場合というのは、カロリーが充分に取れていないということなので、意識して食べるようにしましょう。食が細い人へのアドバイスは以下の通りです。
①液体でカロリーを取る
固形物は「噛む」という動作により満福中枢を刺激するためしっかりと食べることができなくなります。なので、液体を飲むことでカロリーを取ることを意識しましょう。
ここでもサプリのプロテインは役に立ちます。カロリーを取ることも意識してプロテインを飲む場合は、「タンパク質と炭水化物が両方含まれているもの」を選ぶと良いですね。
②食事回数を増やす
1回の食事で食べられる量が多くない人であれば、量を維持して(或いは少しだけ減らして)回数を増やすようにしましょう。間食の時にカロリーの高いものを食べるのもOKです。但し油っこいものはお腹にたまりやすいので避けるほうが良いです)
③筋トレ以外の運動をなるべく控える
摂取カロリーを増やす努力だけでなく、消費カロリーを減らす努力もしてみましょう。筋肉を大きくしたいのであれば、有酸素運動は必要ありません。(筋トレは無酸素運動です。)
日常生活で歩く距離を減らし、なるべくリラックスした状態で過ごすようにすれば消費カロリーを抑えることができます。
筋トレ中のオススメの食事・食材
PFC管理の方法について理解したところで、次は実際にどんなものを食べるのがオススメなのか、私の個人的な意見を以下にご紹介します。
食事の基本を和食に
理想的なPFCバランスを守る上で大切なポイントとして「脂質を抑えること」を挙げましたが、個人的にはそれに最も適しているのが和食だと思います。
天ぷらのような揚げ物を除けば、日常的に食べる和食というのは脂質が少ないものが多いので、脂質の摂りすぎを防いでくれます。煮物や蒸し物を中心とした和食を基本とした上で必要なタンパク質を取るようにすれば、理想的なPFCバランスを維持しやすいと思います。
プロテイン以外のタンパク質源
プロテインは、あくまで食事から摂るタンパク質量が充分でない場合に補助的に使うものです。「筋トレをするならプロテインは絶対に必要!」という訳ではありません。
ただ、実際には食事だけから「体重×2(g)以上」のタンパク質を摂るのは大変であり、プロテインが便利であることは間違いありません。自分の栄養バランスを理解した上で必要に応じてプロテインを使いましょう。
以下では、サプリのプロテイン以外で高タンパクな食材を紹介します。
鶏胸肉・ささみ
トレーニングをしている人にとって最も便利なタンパク質源は鶏肉です。
鶏肉は高タンパク・低脂質であるため、栄養管理の面で非常に使い勝手の良い食材です。
中でも胸肉・ささみには脂質がほとんど含まれないため、筋トレをしている人なら上備しておきたい食材ですね。
注意点として、胸肉についている皮には脂質が多く含まれているので、皮部分は食べ過ぎに注意してください。
スルメ・あたりめ
スルメやあたりめも非常に高タンパク・低脂質な食べ物です。というかほとんどタンパク質の塊みたいなものです。
何か間食として食べたいのであれば、個人的にはスルメが一番オススメです。
ついつい食べ過ぎてしまう人でも、スルメならしっかり噛まないと食べられないため、食欲を適度に抑えてくれます。
コンビニのものでももちろん良いですが、私はあたりめが好きなので大きなサイズの徳用品で買うことが多いです。
日持ちするのもポイントですね。
ビーフジャーキー
ビーフジャーキーも同じく高タンパク・低脂質でかつ日持ちする食べ物です。
味付けによっては炭水化物や脂質が多くなっているものもあるので、選ぶ際には成分表を確認してください。また、ビーフジャーキーは塩分が高いので食べ過ぎには気を付けましょう。
スルメにしてもビーフジャーキーにしても、臭いが強めな食べ物なので職場でおやつとして食べる場合などは周りにも気を配るようにしましょう。笑
間食を食べたいなら和菓子
どうしても甘いものが食べたい時は和菓子を食べるようにしましょう。
おはぎや団子、大福など、和菓子は炭水化物メインのものが多いので脂質を気にしている時でも食べられるものが多いです。(もちろんカロリーオーバーにならないようには気を付けましょう。)
以上がPFC管理中にオススメの食材でした。
ここからはここからは参考情報として、筋トレをしている場合としていない場合のPFCバランスの違いについて見ていきたいと思います。
(参考までに)一般的に推奨されているPFCバランスについて
厚生労働省が公表しているエネルギー産生栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)の摂取量バランス、つまりPFCバランスは以下の通りです。(男女間での差はありません。)
タンパク質 13~20%
脂質 20~30%
炭水化物 50~65%
(参考) 日本人の食事摂取基準(2020年版)スライド集について
この数値は、全ての日本人(つまり筋トレをしていない人も含めて)にとって、健康的な生活を送るのに必要な栄養バランスです。
この記事で紹介してきた、筋トレ時におけるPFCバランスというのは、厚生労働省が推奨する範囲の中で、「タンパク質を上限に近い範囲で摂取した」バランスと言えます。
65kgの人の例の場合、カロリーベースでのPFCの比率は以下のようになります。
タンパク質 = 65×2 = 130g = 520kcal 22%
脂質 = 65×1 = 65g = 585kcal 24%
炭水化物 = 65×5 = 325 = 1300kcal 54%
(総カロリー = 2405kcal)
タンパク質は厚生労働省の推奨範囲を少しオーバーしていますが、筋肉をつけたい場合はそれだけタンパク質をたくさん摂るほうが効果的だということですね。
「筋トレしている人=プロテイン」みたいなイメージがあるかもしれませんが、PFCバランスについて学んだ後なら、なぜムキムキな人がプロテインを飲んでいるかが分かるかと思います。
まとめ
筋トレをして筋肉を大きくしたい人にとって、栄養管理はトレーニングと同じように大切な要素です。
今回紹介したPFCバランスはその基礎となる考え方です。
本記事で勧めているPFCの量は、大幅に体重を増加させることなく筋肉をつけることを意図した数値になっています。
注意点として、PFCバランスを整えたからといって数日で体型が変わるといった劇的な効果は出ません。最低でも1ヶ月くらいは頑張って続けましょう。
筋トレも食事管理も「継続すること」が何よりも大切なので、自分にできる範囲で楽しみながら続けてください。
参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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・筋トレにおける原理原則について知っておけば、より効率的に成長できます。難しいことではないので是非知っておきましょう。
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(参考)
筋トレやダイエット中の食事は「PFCバランス」を意識せよ。たんぱく質・脂質・炭水化物の量を見直す計算方法 | 健康×スポーツ『MELOS』