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債券について基礎から解説!正しく理解して資産形成に役立てよう!

こんにちは!ラボサラです。

 

今日は債券についてです。

「投資」というと株式のイメージが強いかもしれませんが、債券の購入も立派な投資になります。

一般に、債券は株式のような価格の上下が少ないため「安全資産」と呼ばれていますが、決してリスクがないわけではありません。

また、一口に債券と言っても色々な種類が存在します。

債券の仕組みや種類を理解して、うまく投資運用に役立てていきましょう!

債券とは?

 債券とは、国や政府・地方公共団体、企業などが、資金を投資家などから借り入れるために発行する有価証券の一種です。

購入時に償還日(=債券購入金の返済日)があらかじめ決められており、その満期まで保有すれば額面全額が払い戻しされます。また、償還日まで定期的に利子を受け取る約束をした金融商品であるため、一般的に株式と比較して「安定資産」と言われています。

 私たち個人が銀行などでお金を借りる時には利息をつけて返還しますが、それと同じで債券を発行した団体は、借りた人(=投資家)に対して利子をつけて返却します。

この利子により投資家は利益を得ることが出来るわけですね。 

 

債券の種類

社債

 国や地方自治体など、公共団体が発行している債券を「公社債」と呼びます。

国が発行しているものを「国債」、地方自治体が発行しているものを「地方債」と言います。

個人向け国債金利は、最低でも0.05%と定められています。それ以下には下がらないという保証があるのは安心材料ですね。

しかし低金利の世の中で、年々個人向け国債金利は下がってきており、現在の年利がちょうどこの最低ラインの0.05%となっています。(参考:現在募集中の個人向け国債・新窓販国債 : 財務省

ネット銀行だと条件によっては年利0.1%となるようなものもあるので、それと比べると個人向け国債の年利の低さが分かりますね。

「資産を増やす」という意味では、国債を購入する選択肢はなさそうです。

もちろん、国債は債券の中でも最も安全性が高い(国が財政破綻にならない限り戻ってくる)ので、リスクを取りたくない人にとっては選択肢に入ってくると思います。

例えば、銀行が破綻した際の保証金額は1000万円なので、銀行預金が1000万円以上の人が、リスク分散のために預金の1000万円を超える部分を国債保有しておくというのは有効かもしれませんね。

 

民間債(社債

 民間企業が発行するものを「民間債」、「社債」と呼びます。種類としては以下のようなものが存在します。

 

普通社債(SB:Straight Bond)

これが最も一般的な社債です。

信用リスクが高い(=倒産して社債が返済されない可能性が高い)社債ほど利息も比較的高くなる傾向があります。

 

転換社債(CB:Changeable Bond、正式には「転換社債型新株予約権付社債」)

一定の価格において、社債を発行している企業の株式に転換できるという特別な条件付きの社債です。

普通社債のように通常の利息が得られるだけではなく、株との転換により値上がり益が得られます。

しかし、「株との転換」という特典が付いている分、普通社債と比較して利息は低く設定されています。

 

ワラント債新株予約権社債

通常の社債に、「その社債を発行している会社の株式を一定の価格で購入できる権利」が付帯された社債です。

上記の転換社債が、社債を追加資金なしで株式に転換できるのに対して、ワラント債は株式を購入するための資金が別途必要になります。

 

劣後債

社債を購入した投資家に対して、弁済順位が低い社債です。

弁済順位が低いため、企業に破綻などの事態となった場合に損失を被る可能性が高くなりますが、その分利息が高く設定されているのが特徴です。

 

 様々な種類のものがありますが、個人的には株式と債券は別で考えたいので、買うとしたら普通社債でいいかなと思ってしまいますね。

また、利息が高い劣後債にしても、どうせリスクを上げるなら株式投資でリスクを上げた方がリターンも大きくなるのではないかと思うので、あまり魅力があるようには感じません。債券は「安定資産」として資産配分に組み入れる前提なので、その部分でリスクを高めるのは少し気が引けるというのが正直な感想です。

もちろん、個別のケースにおいて普通社債よりもメリットのある種類の社債があるかもしれないので、こういった種類の社債があることは知っておいて損はないと思います。

 

 ちなみに、ここでは紹介しませんでしたが、債券の種類として他にも国外の機関が発行する「外債」というものもあります。

 

債券期間と利息(=クーポン)の関係

 債券の利息のことをクーポンと呼びます。一般的に債券の期間が長い程、利息は高くなります。これは期間が長くなるほど、債券を発行した団体の支払い能力にマイナスの影響が生じる可能性が高くなるためです。

国などの大きな組織が発行元の場合は、破綻の可能性が非常に低くてイメージしにくいかもしれませんが、個人事業主で考えると分かりやすいと思います。

貸す側の立場から考えると、貸した期間が長いほど自分の資金が拘束されることになるので同じ利息なら短い期間での貸し付けを選びたいと考えます。

また期間が長い程、発行元の業績がどう推移するか予測が難しく、倒産して返済されない確率が(短期と比べると)高くなると考えられます。

債券期間が長くなると、短期と比べて信用度が低下する(=投資家にとってリスクが上がる)ため、それを補うために利息を高く設定する必要があるのです。

 

債券にも値動きがある

 上述してきたように、債券は満期まで保有していれば決まった額が返還されます。そのため「債券に値動きがある」と聞いて違和感を感じるのは、非常に真っ当な感覚だと言えます。

では債券の値動きとは一体何のことなのか? それは、債券を満期前に売却する時に関係してきます。これまでは触れてきませんでしたが、債券は満期まで待つことなく売却することも出来るのです。

投資初心者には、満期での売却の方がお金の収支がはっきりと分かりやすいのでオススメですが、債券の性質を理解する上で、この値動きのことは知っておいて損はないと思います。以下に説明していきます。

 

市場金利が債券の値動き要因

 債券の値動きの要因となるものに市場金利が挙げられます。

※市場金利とは

金融市場などで適用されている金利。民間の金融機関の貸出金利や預金金利のほか、金融機関同士の取引で使われる金利などのことを指します。「市中金利」とも呼ばれます。(引用元:わかりやすい用語集 解説[市場金利]

 

  一般的に市場金利と債券価格は逆の動きをします。つまり市場金利が上がると債券価格は下がり、市場金利が下がると債券価格は上がるという関係性になります。

 

この関係性を理解するために頭に入れておいてほしいのは、「債券の利息が固定額である」ということです。

最初に発行された段階で100円につき年間5円の利息がつく債券があったとします。

この債券は、何らかの要因により価格が90円になろうが、110円になろうが、利息の額は購入時に約束した5円のまま、ということです。

「利息が固定額」ということを覚えたら、市場金利との関係を見てみましょう。

市場金利が低下すると、固定された利息(クーポン)をもつ発行済み債券(既発債)の価値は上昇します。既発債は以前の金利が高かった環境下で発行されたものであり、その分クーポンも高いためです。既発債の保有者は、こうした債券に「プレミアム」を乗せて市場で売却することが可能になります。一方、金利水準が上昇すると、既発債の価値は低下します。これはこれらの債券のクーポンが相対的に見劣りするようになり、結果として「ディスカウント」で取引されるようになるためです。

(引用元:債券価格と金利 | PIMCO

この説明を見て市場金利と債券価格の関連がいまいち分かりづらい!という方は市場金利が上がると債券価格は下がり、市場金利が下がると債券価格は上がるとだけ覚えておきましょう。 

 

その他の要因

 市場金利以外に、債券価格に影響を与える要因としては景気、物価、為替、債券の需給関係などが挙げられます。

市場金利を含めて、これらの要因は独立している訳ではなく、相関しながら変動していくので、個々の要因のみを取り出して議論することにはあまり意味はないかもしれません。

 

全ての要因を覚えておく必要はありませんが、債券が株式のように値動きするものなのだということは感じてもらえたでしょうか。

 

債券と株式の違い

 では債券と株式は同じようなものなのか?というとそうではありません。

一般的に、株式と債券の値動きには相関性がないか、逆相関の関係にある、と言われています。つまり、「株式と債券は別々の値動きを示す」か「株式が上がる局面では債券が下がり、株式が下がる局面では債券が上がる」ということです。

債券と株式の関係性には諸説あり、簡単に決まるものではないようです。

しかしここで重要なのは、株式と債券が順相関ではないということです。つまり、「株式が上がると債券も上がり、株式が下がると債券も同様に下がる」ということは起こらないということです。(偶然そういう値動きが起こることはあり得るかもしれませんが、常にそうなることはないということです。)

資産運用においては、このような相関性の低い(或いは逆の相関性を持つ)資産を複数持つことが資産の安定性を向上させます。

つまり、債券と株式の両方を保有することは、リスク分散の有効な手段と言えるのです。

 

 値動き以外の債券と株式の違いは、以下の表をご覧ください。

債券と株式の違い一覧
(参考:トピック3:債券と株式の違い | PIMCO

債券と株式を比較した時にそれぞれの特徴を一言で表すなら、債券はローリスクローリターン、株式はハイリスクハイリターンと言えます。(あくまでこの二つの比較の話です。)

債券と株式をバランス良く運用することで、リスクを下げつつをリターンを上げていくことが可能になります。

 

債券購入時の注意点

 満期まで保有していれば決まった額が返還される債券ですが、唯一のリスクとして債券購入先の機関(企業)の倒産が考えられます。

債券発行元が倒産して支払い能力がなくなることを「債務不履行(デフォルト)」と呼びます。債券を購入する時には事前に発行元のデフォルトの可能性を調査しておくべきです。

では、デフォルトの可能性を知るには何を調べれば良いのでしょうか?

それは「信用格付け」を見ることです。

信用格付けは、民間の格付け会社により付けられた各企業の評価であり、高い順に AAA、AA、A、BBB、BB、B、CCC、CC、C(、D)という9種類(または10種類)に分けられます。

一般的に、BBB以上の格付けをされた会社の債券が「投資適格」、つまり良好な信用度があるとみなされます。

あくまで民間企業による格付けなので、AAAランクであっても100%の安全を担保するものではありません。しかし、良い判断材料にはなるので確認はしておきましょう。

ネットで「〇〇(企業名) 格付け」などと検索するとすぐに情報が出てきます。

 

ちなみに、格付け会社金融庁に登録を受けた会社であり、日本格付研究所(JCR)、ムーディーズ(Moody's)、スタンダード&プアーズ(S&P)、格付投資情報センター(R&I)、フィッチ(Fitch)などがあります。

 

その他注意点

 国内債券を満期まで保有を考える場合はデフォルトのみを考えれば良い訳ですが、満期前に売却する場合には価格変動リスクや流動性リスクがあり、海外債券の場合には為替リスク(カントリーリスク)があります。

今回は債券を満期保有する方法に焦点を当てて説明しているため詳細には触れませんが、債券での資産運用をメインで行おうと考えている人にとっては大切な情報になるので是非一度調べてみてください。

 

まとめ

 今回は「債券とは何か?」について、主に資産運用の観点から説明しました。

投資というと株式をメインとして運用することが多いと思いますが、「安定資産」と呼ばれる債券には株式にはない魅力があります。

自分の運用方針を明確にした上で、うまくリスク分散に活用してみてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

<参考ページ>

債券とは?|債券の初心者入門|岡三証券

社債とは?仕組み(株との違いなど)や種類、メリット・デメリットなどを徹底解説 | マネーの手帳

社債とは何か?その種類、株式との違いについて|会計ソフトはフリーウェイ

債券の変動要因 | 極東証券

債券価格と金利(利回り)の関係とは?誰でもわかる債券の仕組み

【輪郭】金利と株価は順相関?逆相関? – 浜町SCIコラム

金利や為替と株価の関係│はじめての株式投資│SMBC日興証券

トピック3:債券と株式の違い | PIMCO

トピック5:債券の価格と運用成果に影響を与える要因 | PIMCO

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