業務日誌9 月報の作成
おはようございます!ラボサラです。
うちの会社では毎月末にテーマの進捗を報告する「月報」ファイルをワード形式で提出する決まりがあります。
どこの会社でも似たようなものかとは思いますが、月末になると皆が一斉に実験の手を止めてデスクワークに向かいます。笑
昨日は私もご多分に漏れず月報作成に勤しみました。
テーマ責任者である上司が最終的な報告書を提出するのですが、私を含めたチームのメンバーがそれぞれの担当パートを作成して上司がまとめ上げるという手順になるため、上司への提出期限は月末より少し早くなります。
デスクで資料を作っていると、後ろから別メンバーが上司からダメ出しを受けている声が聞こえてきます。
「ここはもう少し丁寧に具体的な説明を入れるように」「これだと分かりにくいから書き換えて」など、細かく修正を入れてもらっています。
月報を作っているとよく思うのが、「分かりやすい文章を書くのって難しい」ということです。
個人差はあると思いますが、研究職で実験を主な業務として担当しているとまとまった文章を書く機会が意外と少ないのです。
実験ノートには簡潔な目的を書きますが、あとはデータが並ぶだけということもよくあり、頭の中では「この実験結果がこうだからこんな結論が言えるな~」とか「こことここを比較することでこんなことも言えそうだ」とか考えるのですが、いざそれを文字に起こそうとするとまとまりのない文章になってしまいます。。
一つの目的に対して白黒はっきりつく実験結果が出てくれば分かりやすいのですが、多くの場合どちらとも言えるような微妙な結果が出てきます。
それをどう解釈するか、どう論理的に説明するかが研究者の腕の見せ所です。文章を書くのが苦手だからといって逃げるわけにもいきません。
月報作成は、定期的に頭の中のイメージを具体化する良いチャンスでもあるので、適当に済ませずきっちりとこなしていきたいと思います。
この日誌も含めて文章を書く機会を増やしていけば少しずつでも改善していくと信じて今日もラボサラは頑張ります!笑
拙い文章ですがどうぞ優しく見守ってください。
今日もお仕事頑張りましょう!!
【研究職サラリーマン】基礎研究と応用研究、どちらを選ぶべきか
こんにちは!ラボサラです。
今日は化学メーカーで研究職として5年ほど働いてきた私が、研究職の種類(基礎研究と応用研究)とその実態について話してみたいと思います。
現在学生で、将来的に企業で研究職につきたいと思っているかたにとって、自分がどんな仕事をしたいのか、その方針を決めるための参考になれればと思います。
研究職という仕事と接点がなくて前提知識なんかない、という人にも読みやすい内容にしているので、興味があれば是非お読みください。
ゆっくり読んでる時間がない方や、基礎研究と応用研究の比較について早く知りたいという方は基礎研究と応用研究、どっちがいいの?の部分を読んでみてください。
研究職の種類 ~基礎研究、応用研究、生産技術
まず、企業における研究職の分類について簡単にお話しします。
研究職には大きく分けて3種類あります。
基礎研究と応用研究そして生産技術です。
基礎研究とは、将来的な製品化を目指した新規アイテムの開発を行う研究です。
一方で応用研究とは、既に商品化されたアイテムを取扱い、顧客のニーズを基に既存製品の改良していく研究のことを指します。
そして生産技術とは、工場での製品製造を安全かつ効率的に実施するためのプラント設計を考えるための部署で、反応工学などを専門にしている研究者が所属します。
傾向として、大学で反応工学を専攻してきた人が採用されるので、それ以外の専門分野のかたにとっては、仕事として選択肢に入ることはあまりありません。
会社によっては呼び方が違ったり、分類についても異なることがあるかもしれないですが、その点についてはご了承ください。
この記事では、多くの大学院生にとって選択肢となる基礎研究と応用研究について詳しく書いていきます。
(生産技術についてはあまり比較対象となることがないのでここでは割愛させてもらい、別記事にて語りたいと思います。)
基礎研究の仕事の特徴
「仕事は研究です」という話を聞くと、多くの人は「白衣を着て試験管を振って実験している」という姿を思い浮かべるのではないでしょうか。
実際、手で試験管を振るということはないのですが、「基礎研究」というのはそんな「研究職」という典型的なイメージに近い仕事です。
とはいえ、大学での研究と比べると実験以外の仕事の割合も多く、会議・ミーティングの多さに頭を悩ませるのは他のサラリーマンと同じです。
ではもう少し具体的に、「基礎研究」という仕事がどういうものかを見ていきましょう。
新規製品を生み出すために新しいものを研究対象にする
上述したように、基礎研究というのは新しい製品を生み出すための研究です。
0から1を生み出すための研究とも言えます。
とはいえ大学のような学術機関ではないので、「新しければ良い」というわけではなく、製品化できるかどうか(=売れるものかどうか)という視点が何よりも大切です。
どちらかというと、目新しいものを作っている大学やベンチャーに目を付けて、その技術や製品をいかに自社にメリットのある形で取り込めるかを考えることが多いです。
そういう意味では「0から1を生み出す」というよりも「0から1を生み出す研究をよそから見つけてくる」と言った方が近いかもしれません。
一方で、住友化学などのいわゆる財閥系と呼ばれるような巨大化学メーカーになると、自社内に大学と近いレベルでの基礎研究機関を持っているという話を知人から聞いたことがあります。
当面の利益を度外視で0から1を生み出す研究を行えるというのは、別の事業で収益が確保されており企業として体力があるからこそでしょう。
社外での有望な共同研究先を見つける
実際に、大学研究室に資金提供をして共同研究という形で研究を進めることもよくあります。共同研究というのは、平たく言うと「研究のためのお金をあげるから成果はこっちにも分けてください」と大学にオファーを出して一緒に働くというものです。
場合によっては大学の研究室の技術を学ぶために、社員を派遣して大学内で研究をさせることもあります。そうなると会社員というよりは学生・研究員という感じになります。(このスタイルは会社全体から見ると割合としては少ないですが、大学での研究活動が好きだった人にとっては楽しい仕事になるでしょう。)
有望な共同研究先を見つけるためには、その分野の専門的な知識を身につける必要があります。
そのため、日頃から論文などの学術文献や特許を読んで情報収集・勉強する必要があります。
技術革新が目まぐるしく起こる現代においては製品寿命がどんどん短くなっており、その分、新規開発にもスピード感が求められます。
何年も腰を据えてじっくりと製品開発の検討を行うというスタイルはどんどん減ってきており、逆に大学やベンチャーとの共同研究という形での仕事が増えています。
売れる見込みがなければ学術的に研究として面白くても打ち切られてしまいます。
自分が「面白い、将来性がある」と思っているテーマでも打ち切られてしまうというのは研究者としては辛いところです。
(とは言え将来性の判断は難しく、ズルズルと10年くらい続いているテーマもチラホラとあります。それが良いのか悪いのかは人によって感じ方は違いますが。。)
残業は少ない?
一般的に基礎研究は特定の顧客がいるわけではないので、締め切りに追われる仕事というのは少なく、そのため後述する応用研究と比べると残業は少ない傾向にあります。(もちろん所属する部署や会社によっても違うとは思います。)
ある程度、自分で仕事の裁量を決められるため、「今日は仕事後に予定があるから残業なしで帰ろう」ということがしやすいです。
一方で、常に新しい情報を仕入れておくことが仕事において大切なので、自分のテーマに直結しないようなことでも幅広く勉強する必要があります。
仕事に直結しないことも多いので、文献調査の時間を残業としてつけてよいかはグレーだったりします。
やりがいを感じにくいかも
新しいものを生み出す仕事というのは、何も生み出さない期間が長い仕事でもあります。
ほとんどの新規研究テーマは芽が出ないのが普通で、ましてや大企業になればなるほど新しいテーマでもそれなりに大きな売り上げを想定しないといけないので、そのハードルは非常に高いです。
(市場の伸びが期待できず、売り上げも小さい事業分野にはなかなか参入しづらかったりします。)
新規テーマを立ち上げることなく社会人生活を終えてしまうような基礎研究者も多いのではないでしょうか。
基礎研究の特性上、「会社や社会に貢献できている」という感覚はなかなか感じづらいです。
そのため、純粋に新しいことに挑戦するのが好き、研究という仕事が好き、というタイプの人でなければ仕事としてモチベーションを保つことが難しいかもしれません。
良くも悪くも「自分次第」な側面が強いのが基礎研究の特徴と言えますね。
応用研究の仕事の特徴
ここからは応用研究について、その特徴を紹介していきます。
応用研究とは、会社内の既存の製品の改良を行うことで顧客のニーズに応え、それにより売り上げを伸ばしていくことがメインの仕事となる研究です。
基礎研究が0から1を生み出すのに対して、応用研究というのは1から10、10から100へと増やしていく仕事、というイメージです。
会社の事業として既に成り立っている研究なので「事業部研究」と呼ばれたりもします。
顧客との繋がりが強い
これは当然のことではありますが、既に製品化して顧客がついているものを扱うので、その顧客の評価というのは非常に重要な研究指針になります。
そのため、営業とともに顧客から既存品の評価をヒアリングしに行くことも多く、その情報を基に方針を決めて品質改善に努めます。
顧客の声ありきで仕事をするというのは、時に無茶ぶりに応える辛さがありますが、進むべき道がはっきりとしているという意味ではやりやすさもあります。
(応用研究の部署で働く同僚からは、ほとんどが無茶ぶりだという声も上がっていますが。笑)
応用研究は肉体労働⁉
応用研究の部署における実験では、顧客にある程度の量をサンプルとして提出する必要があることと、実際の製品プラントを模した形状の反応釜(=製品を作るための容器)を用いる必要があり、実験のスケールが基礎研究と比べると大きくなります。
基礎研究では100mLからせいぜい1L位のガラス容器で実験するレベルですが、応用研究では、20~30Lくらいの金属製の容器を用いることも日常的にあります。
スケールが大きい分、実験作業自体も大変で、実験中は安全性を考えて二人以上で作業する必要があることも多いです。
また、顧客に提示するためにとにかく沢山のデータが必要になることもあり、考え得ることをひたすら実験データとして集めていくこともあります。そうなると、頭を使うよりもひたすら体を動かして仕事をする、という場面も増えてきます。
こういった事情から、応用研究では基礎研究と比べると肉体労働的な側面が大きくなりがちです。
残業が多い
顧客からの製品改善要望に応えるということは当然のことながら納期が存在するわけです。
その納期に間に合うように結果を出す必要があるため、応用研究の部署は一般的に残業が多くなりがちです。
端から見ている印象だとほとんど年中通して忙しいイメージがあります。
もちろん部署や担当テーマによって変わりますが、全体として見ると基礎研究と比較したときに残業時間はやはり多くなる傾向です。
やりがいは感じやすい
顧客対応を仕事としている場合、自分の研究の成果が直接評価されるため、やりがいは感じやすい仕事だと思います。
また、既に売り上げが立ち成長している事業ということは、新規事業と比べると規模(=金額)が大きいので、自分の成果がいくらくらいの仕事になったのかが可視化しやすいというのもモチベーションに繋がるポイントです。
「この製品の改善で〇〇億円売り上げが上がった!」なんてことも実際にあり得るのです。
スキルが身に付きにくい
一つの製品の改良に携わる場合、細かな条件のチューニングをすることになり、日々の仕事は同じような作業の繰り返しになりがちです。
また、上記の通り残業が多く忙しい日々を過ごすことが多いため、新しいことにチャレンジする余裕がなくなりやすい環境でもあります。
そのため、研究者として身につけられるスキルは限定的になりがちです。
企業で勤める研究員としてレベルを上げたいのであれば、日々の業務に忙殺されずに自分の意志で積極的に新しい知識・技術を身につける姿勢が大切になります。
基礎研究と応用研究、どっちが良いの?
ここまで基礎研究と応用研究の両方について、その仕事の特徴を述べてきましたが、なんとなくでも違いを感じることが出来たでしょうか?
それでも「結局自分はどっちが向いているんだろう?」と悩む人もいるかと思います。
以下に両者を比較してみるので、自分ならどちらにより多く当てはまるかを確認してみてください。
② 自分でひたすら考えるのが好きなら基礎研究、とにかく手を動かして結果を出すのが得意なら応用研究
③(仕事の内容は別として)残業が少ない方がいいなら基礎研究、QOL(Quality of Life)を多少犠牲にしてでも仕事にやりがいを感じたいなら応用研究
④ 幅広く自分の研究者としての知識・スキルを活かしたいなら基礎研究、特定の分野に深く精通して社外の顧客と信頼を築きながら仕事を進めていきたいなら応用研究
上記の判断基準はあくまで大まかなものです。
基礎研究でも開発品を潜在顧客に提出し、その潜在顧客にサンプルの評価をヒアリングに行くことはありますし、応用研究でも新規分野への展開のために様々な文献調査が必要なことも多々あります。
とはいえ、「全てケースバイケースです」と言ってしまうとあまりにも漠然としてしまい、方向性が定まらないのでざっくりとした分け方をさせてもらいました。
少しでも化学企業の研究職へ就職を検討している人の助けになれば幸いです。
ラボサラの個人的経験と見解
最後に、私ラボサラの個人的な経験について述べさせてもらいます。
私自身は就職して5年の間基礎研究の部署で働いてきました。
基礎研究と言っても、3年目からは(幸運なことに)製品化間近のアイテムを取り扱うテーマに携わらせてもらっており、基礎研究と応用研究の中間みたいな仕事をしていました。
入社直後に担当させてもらった基礎研究のテーマでは、右も左も分からない状態で新しいアイデアを求められ(もちろん基礎的な知識については色々と教えていただきながらですが)、自分のアイデアを実証すべく実験を行い、得られたデータについて遥かに年上の上司とも対等にディスカッションさせてもらいながら新規開発を行いました。
自分のような新米にもできることがある、という感覚が嬉しかったですし、新人ならではのアイデアで多少なりとも良い結果を出せた時は手応えを感じることもありました。
基礎研究というのは、社内の誰もが未経験の分野を切り拓いていくということなので、キャリアに関係なく結果を出すチャンスがある仕事だと思います。
一方で、多少良い結果を出せたとしても、製品化とは程遠い段階にあるのですぐにテーマが打ち切りになってしまうことも当然のようにありました。
その点、3年目から携わらせてもらっているテーマは製品化間近で、大規模生産することさえできれば売れることはほぼ確実という状況でした。
「これをクリアすれば〇億円の売り上げ」といった感じで成果を実感しやすいため、大変な仕事ではありましたが、テーマ自体の有望性について疑問を持つ必要がなかったため、やりがいを持って仕事を進められました。
上記でも説明した通り、基礎研究と応用研究のどちらが良いのかというのは人によって変わるのですが、私個人の意見としてはせっかく企業での研究を仕事とするのだから、応用研究は経験してみてほしいです。
応用研究というのは、その企業の利益の軸(の一つ)となる事業なので、その企業独自の強みを理解することにもなります。
また、大学の研究とは進め方も求められる結果も違うので面白いと思います。
基礎研究・応用研究どちらにしても、研究職という仕事は世の中にない新しいものを創り出す価値ある仕事です。
日々の業務は時に単なる肉体労働となることもありますが、それでも基本的には高い専門性が必要とされます。その専門性を存分に発揮して、そこから価値を生み出すことが出来ればそれは自分にとって大きな自信、誇りになります。
長くなってしまいましたが、少しでも研究職のことについて理解を深められたでしょうか?
この記事を読んで一人でも「研究職という仕事に興味を持った!」「就職のための参考になった!」という人がいてくれたなら、私としては何よりの喜びです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<関連記事>
・研究職サラリーマンの業務の様子を知りたいという方にはこんな記事がオススメです。
labosala-studyroom.hatenablog.com
・研究職サラリーマンのリアルな生態を知りたいかたは、私の業務日誌も併せて読んでみてください。日常の仕事の具体的な内容や、そこで感じたことを書き綴っています。
業務日誌8 化学者は洗い物が得意!?
おはようございます!ラボサラです。
前回の記事で、実験作業について書きました。
labosala-studyroom.hatenablog.com
研究者といえば実験、そして実験といえば…そう、片付けです。
どんな実験でも何かしらの器具を使用する以上、必ず片付け作業は発生します。
有機化学分野では多くの場合ガラス器具を用いて化学反応を行なうので、そのガラス器具の洗浄・乾燥という片付けが一番メジャーな(?)片付けではないでしょうか。
実験化学者にとっては洗い物は日常生活の一部です。笑
化学者には料理が得意な人が多いとまことしやかに言われることがありますが、それは「分量を量って試薬を混ぜて反応させる」「ガラス器具の洗い物を毎日のようにこなす」という作業を仕事として毎日のようにこなしているからだと言われています。
実際、私の周りでも男女問わず料理が好きな人は多い印象です。
ガラス器具の洗浄方法は使用する物質によって変える必要がありますが、一般的にはアセトンという有機溶剤で洗い流し(その洗液は専用の容器に保管してまとめて廃棄処分を行います)、水で洗い流した後で更に洗剤をつけてブラシでしっかりと磨き洗い(こすり洗い?)をした後、乾燥機に入れて完全に乾かします。
料理の洗い物と違うのは、器具に付着した試薬を流しにそのまま捨てることは禁止されていることです。これは、有害物質が下水道から外に排出されることで環境汚染や人を含む生体への健康被害を起こす可能性があるためです。
そのため、洗剤をつけて洗う前段階として掛け洗いを入念に行う必要があり、そのせいで余計に時間が掛かる作業となってしまいます。
実験をこなせばこなすほど洗い物も増える。
大学の研究室でも企業でも、研究者は意外と長い時間をガラス器具の洗浄に使っています。私も昨日は一時間近くを片付け作業に充てていました。
私の部署の先輩社員も「洗い物専用に派遣社員さんを雇ってくれないかな~」と軽く愚痴をこぼすほどです。
今日は化学者とは切っても切れない関係の”洗い物、片付け”というパートについて紹介しました。
研究職という仕事の意外な一面を知っていただけたのではないでしょうか。
化学者になれば洗い物や片付けが得意になって家事が好きになるかもしれません。笑
業務日誌7 実験の一日
おはようございます!ラボサラです。
昨日は研究者らしく、一日実験作業をしていました。
とは言っても、いくつかの試薬を電子天秤で重さを量りながら混合して溶液を作り、それを反応容器で一定時間撹拌してサンプリングするという簡単なものです。
有機化学の実験では取扱いに気を付けないといけないものが多く、中には空気に触れるだけで発火するような物質もあります。
今回の実験ではそのような取り扱いの難しい物質がなかったので簡単な作業でした。(それでも素手で触れると薬傷を起こすので保護手袋は必須です!)
試薬の重量を量っている時にふと、「あれ?この試薬こんなに多かったっけ?」と違和感を感じ、実験室から居室へ戻って元データを確認してみると…
やっぱり間違えてる!
エクセルを使って計算していたのですが、式を作る時に桁を一つ間違えていました。。
0.05%入れる試薬の重量を計算する時に、×0.005で計算していたのです…(正しくは×0.0005)
エクセルでの式入力の時は、少し手抜きして計算式を「=A2*0.005」みたいに手入力していたのですが、これが良くなかったですね。
別のセル(例えばB2セル)に「0.05%」とパーセント表記で入力して「=A2*B2」という式にしておけば、自動的に「0.005」ではなく「0.0005」と認識して計算してくれるので間違えなかったはずです。
比較的早い段階でこのミスに気付けたので、溶液調製のやり直しにはそれほど時間はかかりませんでしたが、このミスに気付いて計算式の修正と確認を行なった時間のロスはもったいなかったなと反省しました。
実験計画の段階で数値の見直しや確認をするのは大切ですね。
そしてエクセルの正しい(?)使い方の大切さを実感した一日でした。
ただ、実験時に違和感を感じて間違いに気付けた自分は褒めてあげたいと思います。笑
小さなミスの防止が作業の効率化に繋がるので、今日も一つ一つの作業を丁寧にこなしていこうと気を引き締めたラボサラでした。
今日も一日頑張りましょう!
業務日誌6 承認ルート
おはようございます!ラボサラです。
先日、稟議の起案の話をしました。
labosala-studyroom.hatenablog.com
この稟議に関して書類作成を進めているのですが、何が大変って、
直属の上司のOKをもらう→その上のグループリーダーのOKをもらう→更にその上の部長にOKをもらう
という三段階も承認をもらう必要があるんですよね。。
先日の業務日誌を書いた日に直属の上司のOKはもらえたんですが、その後グループリーダーに内容を説明したところ、「もう少しシンプルにした方がいいんじゃない?」と言われ再度作り直すハメに。笑
しかも、その後には部長への説明も待っています。
書類の記載内容が納得のいくものかどうかは、正直それぞれの承認者の好みの問題です。
直属の上司⇔グループリーダー⇔部長 の三者の考え方(好み)が近い場合は、すんなり承認が降りるのですが、今回は残念ながらそうはなりませんでした。。
直属の上司とグループリーダーは今回の件で良く話し合いしていて意思疎通は十分にできていたので、正直グループリーダーへの説明の時点でやり直しをくらうことになったのは予想外でした。
恐らく部長はまた違う感覚を持っているので、グループリーダーにOKをもらった後にまた部長から書き直しの指示が来るんだろうな~と思うと憂鬱です。笑
この承認ルートの煩雑さを何とかしてほしい!(心の叫び)
自分がしたい仕事に時間を割くためには、それ以外の業務は手っ取り早く終わらせるに限ります。
こういった雑務を最小限にするには、やはり上司の意図や考え方をしっかり理解して、それに沿った行動を取れるようにしないといけませんね。
言うは易く行うは難し、ですがまずは理想をイメージすることも大切ですよね。
今日も一日頑張りましょう!
業務日誌5 face to faceで人と話す
おはようございます!ラボサラです。
リモートワークが世の中で浸透している今、会議や打ち合わせもリモート接続で行うことが増えました。
自分に直接関係ない部分でデスクワークをしたり別のことができるのがリモート会議の良いところですね。
また、移動の手間がないため時間の都合をつけやすいのも利点の一つです。
一方でこんな時代でも直接顔を合わせて話をする必要がある場合もあります。
例えば、実験で使う装置やそれに付随する部品について話す時。
「部品Aのサイズに合うように部品Bを作ってもらいたいんですが、部品Bはカタログ品が使用できますか?それとも特注で作ってもらう必要がありますか?」
先日こんな会話を業者さんとしました。
これも工夫すればリモートでできない訳ではないのでしょうが、扱いが不慣れなものについて話をする時、部品の形状や自分がイメージしていることについて言葉だけで的確に説明するのは難しいため、対面で話せて助かったなと感じました。
私個人としてはこうした「対面でないと説明が難しい」場合に対面で会う価値があると考えていますが、社内では「(特に社外の人で)初めて会う場合は対面で」という風潮があるように感じます。
正直、リモートミーティングに慣れてしまうとわざわざ一つのミーティングのためだけに外出して一日を費やすのは時間の無駄と感じてしまいます。(リモートだったらそのミーティングが終わった後ですぐに別の仕事ができるのに!って思ってしまいます。)
一方で「リモートで済ませられるこのご時世にわざわざ時間を割いて会いに来てくれた」という感覚を相手に持ってもらうことは、コミュニケーションを円滑にする役割を果たすのかもしれないなとも思います。
リモートでの会話とface to faceでの会話、これらの上手な使い分けが社会人としてのコミュニケーション能力として求められる時代になってくるのかな、なんてことを思ったラボサラでした。
今日も一日頑張りましょう!!
<関連記事>
業務日誌4 他部署との連携
おはようございます!ラボサラです。
一昨日稟議の起案の話で少し触れましたが、今他社での試作に向けた準備を進めています。
前回の業務日誌はこちら↓↓
labosala-studyroom.hatenablog.com
今のテーマでは、研究が見出した有望なアイテムを如何に低コストで実生産に移せるかを検討している段階なので、私自身の所属する研究部門内で仕事が完結する訳ではなく生産技術センター(ラボから実機生産への移行を担当する部署)との連携が重要です。
※生産技術センターという部署は研究部門とはまた毛色の異なる仕事なので、また別記事で紹介したいと思います。
研究職という仕事は、生産技術センターに限らず自分の専門外の人と話をして業務を進めなければいけない場面が多くあります。(これは研究職に限った話でもないかもしれませんが。)
そんな時の私の対応の仕方について今日は書いてみたいと思います。
※以下に書いていることをいつでも出来ているという訳ではありません。笑 「こうでありたい」という理想の姿を自分の中で意識するために備忘録的に書き出しています。
私の場合、相手の言っていることが専門的過ぎて分からない時でも「こちらが何をすればいいのか」だけはきちんと確認して具体的な仕事内容に落とし込むよう気を付けています。
最低限そこだけは守った上で、更に相手の話の中で分からないことを素直に分からないと言って教えてもらったり、自分なりの言葉で「こういうことですか?」と確認を取るなどしてコミュニケーションを図っています。
専門的な話をきちんと理解するには分厚い教科書をしっかり読み込むような勉強が必要になります。
なので、その場で無理に全て理解しようとはせず相手とのディスカッションを終えた後で自分なりに調べるようにしています。
せめて使っている専門用語の意味くらいはちゃんと調べて話の大筋は理解するようにしています。
色んな分野のことを全てきちんと勉強すると膨大な時間がかかってしまうので取捨選択も大切だと思っています。
自分が直接関わらない分野の話の場合は潔く理解するのを諦めて相手にお任せすることもあります。(もちろん話している相手に諦めた態度が伝わると失礼なので、言葉選びや態度には気を付けますが。)
ただ、自分の頭の容量のことなどお構いなしに知らない仕事や専門分野の話はどんどん増えていきます。そうなるとついつい勉強することを止めて自分のできることばかりに目を向けてしまいたくなります。
しかし学ぶことを諦めるとそこで自分の成長は止まってしまうので、分からないことの中から自分にとって重要なものや興味を持てるものを選んでコツコツと勉強を続けるようにしています。
「分からないことが分かるようになる」という喜びは勉強の醍醐味の一つです。
そして、自分で学んで得た専門的な知識を実務に活かすことが出来るのが研究という仕事の良さです。
もちろん簡単なことではありませんが、その楽しさを味わえるように毎日の積み重ねを大切にしていきたいと思うラボサラなのでした。